ワンセルフカード一枚一枚について感じたことを書こうシリーズ。
【言】
言葉に話し手の魂が宿ったとき、
言葉は相手の心にまっすぐに届きます
わたしは10代~30代前半、趣味で小説を書いていた時期がたびたびあります。
処女作は、当時大好きだったマンガにそっくりなストーリーでした(笑)。
設定から登場人物まで。
名前が違うだけでほぼ同じ。
起こる出来事も同じ。
あまりにそのマンガが好きで好きでたまらなかったゆえの小説でした。
マンガだと、擬音がありますよね。
たとえば物を落として割れた時の音。
ガシャンッ
みたいな。
わたしの書いた小説も、マンガのように、擬音で表していました。
ガシャンッ
「あ!!ごめんね」
「大丈夫だよ。気にしないで」
みたいな(笑)
他の人が読んだら何がなんだかわかりません(笑)
しかし、わたしの頭の中では、物を落として割れたイメージ(映像)が入っていて、自分で読んだ時にイメージ再現できるので、こういう表現で良かったのです。
つまり、わたしの処女作は、誰かに読ませるための作品ではなかったのです。
中学生のときに書いた小説は、当時はまっていたシャーロック・ホームズの現代版的な設定で書いてました。
シャーロック・ホームズのパロディは古今東西、いろんな人がいろんな媒体でやっています。
わたしも自分なりの現代版シャーロック・ホームズを書いていました。
これは、一話書くたびに、なぜか国語の先生(兼、所属部活の顧問)に読んでもらってました。
処女作と違って、自分で設定を考えてストーリーを考えるのが楽しかった思い出があります。
とはいえ、元ネタ(元祖シャーロック・ホームズ)があるので、それをふまえての人物設定にしたり。
元祖を知ってる人ならニヤリとしてしまう…そんな仕掛けを散りばめるのが楽しかったです。
この手法は、後々まで引き継がれることになり、
わたしの小説に限らない改善・アレンジ好きはこの時から片鱗を見せていたのだな~と、いまブログを書いてて感じました(笑)。
そして20代~30代前半の作品では、言葉ひとつひとつの表現を意図的にするということを始めました。
ちょうど色彩検定の勉強をしていた時期に書いた作品では、色についての表現に注力していました。
単純に「ピンク」でいいところを、「朱鷺色」にしたり。
そしてその「朱鷺色」で書こうとしていました。←これが朱鷺色。読みにくいので、結局、違うピンク系の色で書いてました
一言で「ピンク」と言っても種類がありますから、
色を特定する意味でもって。
そしてまた、「朱鷺色」という漢字で表現した際の雰囲気が、ちょうどその作品全体のもつクラシカルな雰囲気にぴったりだったのです。
日本語は、平仮名・カタカナ・漢字があります。
英語・ローマ字も使えます。
そして、同音異義語もありますし、古くから、比喩・暗喩という表現方法があります。
ある言葉を表現するのに、何通りもできるんですよね。
そこでどんな表現をするかに、語り手(表現者)の思いが込められているのです。
今では小説を書くことはなくなりましたが、
このようなブログを書く時にも、「この”私”は、平仮名?カタカナ?漢字?どれにする?」なんてよく考えながら書いてます。
このように振り返ってみると、私にとって、小説(文章)を書く行為は、自分自身の好きやこだわりの表現そのものなのです。
実は数日前に、わたしにとって小説を書くことはすごく大事なことだったのかなぁ。また再開してもいいかなぁ。と思い当たりました。
なぜそう感じたかと言うと、
20代で書くのを辞めたのは、社会人になって時間がなくなったから?…それとも、社会人になってまでいつまでも小説なんて書いてる場合ではないと思ったから?
30代前半で一時再開したのは、病気で休職中で時間があった、かつ、昔のように大好きなものがあってその好きが爆発して書かずにはおれなかった。
それでまた辞めてしまったのは、20代で辞めたのと同じ理由のような気がする……
こうしてみると、少なからず私にとって、文章表現は癒しの機会になっているのかな、と。
そう思いました。
文章執筆が癒しになる人って結構いるみたいです。
日記を何十年も書いてる人もいますしね。
癒しだとすれば、最初から何かメッセージを伝えるために書く文章(あるいは、話し言葉)とはちょっと違います。
たとえば上記の例として挙げた、ピンクをあえて朱鷺色と表現した意味が読み手にはなにも伝わらないということもありえるわけです。
となると、その表現(文章)は書き手の自己満足でしかありません。
でも、その自己満足の部分が伝わって共感してもらえたり、褒めてもらえたら、こんなに嬉しいことはありません。
表現者にとって最高に嬉しい瞬間です。
この「言」のカードは惹くたびに、感じたり惹かれる部分がかなり違う一枚です。
私にとってはやはり言葉がすごく大切な要素なんでしょうね~。
あなたは、このカードを見てどう感じますか?